東京水道のこれから
-水道水の現状と未来-
人口減少社会を迎える現在、
老朽化した施設の更新や
耐震化の遅れなど、実は東京水道は
様々な課題を抱えています。
これからも、水道を安定供給するために
東京都水道局の取組を紹介します。
浄水場の老朽化

東京都の浄水場は、
高度経済成長期に
集中的に整備されており、
今後、順次更新時期を迎えます。
全ての浄水場を更新するためには、長い期間と多額の経費が必要となるため、より効率的な施設整備が求められます。

水道局の取組
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1 施設寿命を
60年から90年に!法定耐用年数60年を超える前に、「予防保全型管理※」による初期点検を実施し、
施設の長寿命化や更新の平準化を図り、長期に及ぶ工事を計画的に推進していきます。
※「予防保全型管理」について
点検結果などに基づき、施設の劣化や損傷が進行する前に適切な維持管理、修繕、補強等を計画的に講じる管理手法 -
2 浄水場の更新計画を見直し
更新期間を約90年にすることで、
更新のピークを平準化し、着実に整備を進めていきます。
配水管の
更新・適切な管理

配水管の延長は、約28,000kmにも
及ぶことから、
継続的かつ計画的に更新していく必要があります。
首都直下地震などの切迫性が指摘されている中、
これまで進めてきた重要施設への供給ルートの耐震継手化を推進しております。
今後は、断水被害の一層効果的な軽減に向けて、更新の優先順位を更に明確化していく必要があります。

耐震継手化 について
継手部分に抜け出し防止機能を持つ
水道管を整備(更新、交換)すること。


水道局の取組
配水管の耐震継手化
地域全体の断水被害を軽減するため、都の被害想定で震災時の断水率が高い地域を取替優先地域と位置づけ、
当該地域の耐震継手化を重点的に進め、令和10年度までに解消していきます。
こうした重点的な耐震継手化の完了後は、水道管の耐久性の分析により設定した供用年数に基づき、計画的に管路を耐震継手管に更新していきます。


給水管の
更新・適切な管理

都内で発生する漏水の9割以上は各家庭などに水を供給する給水管で発生しています。
私道には、給水管が多数引き込まれているところや塩化ビニル製給水管が使用されているところがあり、水圧の低下や漏水の要因と
なっています。
漏水は、貴重な水を失うばかりでなく、道路陥没などの二次被害にもつながります。災害発生時に漏水が発生すれば、迅速な復旧を妨げることも懸念されます。


給水装置は、
水道局のものじゃない!?
給水装置は、水道局ではなく
お客さまの財産です。
※水道メーター除く
水道局の取組
私道内給水管を
東京都水道局が整備!
平成6年度より、給水管が3本以上敷設されている私道を対象として、私道の所有者から承諾を得て、私道に配水管を布設し、給水管の整理統合を行ってきました。東日本大震災において、都内で発生した漏水の多くが私道の塩化ビニル製給水管であったため、約2,600キロメートルとなる全ての私道を対象として、耐震性能を有する配水管の布設や給水管のステンレス化を進めてきました。
その結果令和元年度末には、約47%で対策が完了しております。

スマートメータの
導入

将来、労働力人口が
減少するなかにあっても、
安定給水を実現し、持続可能な水道事業としていくためには、ICTを積極的に活用し、
業務の効率化を図ることが重要です。


スマートメータとは?
・遠隔で自動検針可能な
通信機能を有するメータ
・1時間ごとのデータの取得が可能
※データの送信は1日1回
スマートメータが導入されると・・
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見える化
東京都水道局アプリで日ごと、
月ごとの使用水量が
確認できます! -
見守り
漏水や蛇口の閉め忘れが懸念される場合や、
水道不使用が一定期間
継続した場合にお知らせ。
水道局の取組
令和4年6月に策定した水道スマートメータ先行実装プロジェクト推進プランに基づき、4年度から6年度の3年間で約13万個のスマートメータを先行的に導入し、調達方法や通信方法の確立、お客さまサービスの創出等に取り組んできました。
その結果、技術的な問題を解消し、通信成功率98%と実運用に問題のないレベルを達成するとともに、使用水量の見える化や漏水の早期発見等の機能を実装するなど、お客さまサービスの向上についても効果を確認できました。
これらの成果等を踏まえ、7年度から10年度までの4年間で約100万個のスマートメータを設置し、2030年代の全戸導入に向けて、取組を加速していきます。
